〈皇統の安定 現実策を〉
読売新聞が5月15日の一面でぶち上げた女系天皇を容認する提言が賛否を巻き起こす渦中――。愛子さまが能登半島地震の被災地視察のため、初めて石川県に足を運ばれた。
◆ ◆ ◆
2日間とも機能性の高いパンツルック
「愛子さまー!!」
行く先々に大勢の人たちが集まり、歓声を上げる。夥しい数の警察官が配置される厳戒態勢下、お出迎えやお見送りは沿道の規制されたエリアのみ。金属探知機による検査を受け、手荷物は配布されるビニール袋に入れて足元に置く。それでも、愛子さまが到着すると、一瞬で空気が華やいだ。柔和な笑みを湛えながら、沿道の声にお手ふりで応える愛子さま。
お召しものは、七尾市を訪れた初日が淡いベージュのジャケットとグレーのパンツ、志賀町に赴いた2日目がチェックのジャケットに黒のパンツだ。皇室担当記者が解説する。
「2日連続のパンツルックは初めてのこと。愛子さまはこれまで、出張を伴う公務では、初日と2日目でがらりと印象の異なる服装をされることが多かった。今回は2日間とも機能性の高いパンツルックをお召しになったところに、被災地を訪れる愛子さまのご覚悟を感じました」
本来であれば、昨年9月末に石川県を訪れる予定だった。だが、直前の同月21日に発生した奥能登豪雨を受け、取りやめに。
「愛子さまにとって初の単独地方公務となるはずでした。2022年、成年皇族となって初めて臨まれた記者会見でも、愛子さまは被災地への思いを口にされており、今回は悲願の初訪問だったと言えます」(同前)
訪問初日の18日、七尾市の仮設住宅万行第二団地。愛子さまは集会所で週1回行われる高齢の入居者向けの健康体操を見学された。この日の体操曲は「三百六十五歩のマーチ」と「パプリカ」。参加した奥原菊枝さん(78)が感極まる。
「前日、7年前に亡くなった夫のお墓参りをして、愛子さまに会えるよと報告しました。本当なら一生会うことができない方。愛子さまは『健康でいてくださいね』と優しく話しかけてくださいました」
同じく最前列に座っていた閨谷礼子さん(74)もこう振り返る。
「テレビで見るよりずっと素敵な方。膝をついて、じっと目を見て話してくださって。感激で胸がいっぱいになり、話しているうちにウルウルしてきました」